私は異世界の魔法使い?!


ちょっとの間でいいから、放っておいて……。


そうは思うが、言葉にしなければ思っている事がカイトなどに通じる訳も無く……。


「何をやらかしたんだ。それとも何かあったのか」


うるさい。

少し黙っててよ。

もう少ししたら落ち着きそうなんだから。

気分の悪さもマシになりそうなんだから。


「おい、聞いてるのか」


聞こえてるってば。

聞いてる聞いてる。

けど、返事するのも億劫なんだってば。

むしろこの状況でどうしてそれが分からない?

察してよ。

いや、察しろ。


「なんとか言えよ」

「うー……うるさい」

「なっ……」


あっ、般若……。

訳が分からないって顔して、でも私に噛み付かれたことでイラッとしてる時、海斗もよくする顔だ。

ははっ、なんだか妙に懐かしい。



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