私は異世界の魔法使い?!


再び歩き出したカイトの背中を追って、私も歩き出す。

真っすぐの一本道。

分かれ道なども無く、ただただ一本の道として目の前には広がっている。

ここは迷宮の森だとカイトは言った。

この地を訪れた者を迷わせると。


前に進んでいるように見せて後退しているのかもしれず、たくさん歩いても実際は同じ場所を回っているだけなのかもしれない、と。

けれど目の前に広がる道は単純な一本道。


やはり彼が言うように、もう既に私達は迷宮に入り込んでいる証拠なのだろうか……?


辺りには目星となる目印も無く、同じカラフルな葉を付けた黄色い木。

黄色い芝生の地面。

空には単色やマーブル模様が描かれた風船のような惑星があるだけ。


空にある惑星の数もたくさんありすぎるけれど、距離の関係かサイズの関係か大小さまざまな大きさが浮いている。

そのひとつを目印にしてみても、それは簡単に移動する。

さっきまで右側上空にあったと思えば、いきなり流星の如く正面上空に移動し、今度は左側……。

全く当てにならない。



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