私は異世界の魔法使い?!

・森の奥



  ◆


ただひたすら歩き続ける事、約2時間。

約というのは体感で言ったから。

実際時計を持っているわけでもなければ、近くに時計なんてあるはずもない。

空は変わらず明るくて、不思議な色の惑星がたくさん浮いているだけ。

だから実際はもっと歩いているのかもしれない。


どちらにせよ、そろそろ疲れてきた。

周りの景色が変わらなさすぎて余計に疲れを増幅させる。


「ねぇ……本当にその妖精、死んでないよね?」


ずっと黙って歩いていたけど、もう限界。


そろそろ口を開いてもいい頃じゃない?


そう思ってカイトを見た。

けれどカイトは相変わらず正面だけを見つめていた。

そんな彼の手元には相変わらず目が飛び出したまま、白い顔だけを覗かせた妖精ブルーベルが大人しく掴まっていた。


まじで本当に。

本当に死んでない、よね?


そんな不安が込み上げてきた時、カイトはやっと口を開く。


「ああ、死んでない」


単純な回答。

私を納得させるに至らない回答。



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