私は異世界の魔法使い?!


いやいや、それはさっきカイトから聞いたセリフと同じだし。

だからそれじゃ意味がないんだってば。


「もっと手っ取り早く会える方法は無いの? それこそ魔法を使ってどうにか出来ない?」

『……男を探知する事は出来る……しかし、探知したところで男のいる場所に移動するのは困難だ』

「なんでよ」

『この空間は不規則に移動しているからだ……法則性は無く移動している為……そこに向かう頃にはすでに男は別のところにいるだろう……』


さっきカイトから聞いた。

ここの森には自然が生み出す魔力が充満しているから、そうやすやすと突破する事は出来ないのだと。

でもカイトには何か秘策があるような事を言っていた。

だからきっと方法はあるはずなんだ。


「……じゃあさ、逆に動かないっていうのはどう? 一体どのくらいの大きさの空間を切り取って移動しているのかわからないけど、それならいっその事動かない方が意外と早く合流出来るんじゃない?」



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