私は異世界の魔法使い?!
剥がれた向こう側には、カラフルな森ではなくただの砂地が広がるだけ。
それは至って普通の砂。
カイトがこの後どうするつもりなのかは、考えなくてもわかる。
今にも跳躍しようとしているのだろう、少し膝を曲げた。
けれど私はそれを引き止めるように掴まれている手を引いた。
「ちょっと待ってよ。この森には用がないって……ミアはどうするのよ。まだ見つけてないじゃない」
さっき私が見つけたのは偽物だった。
まだそばにはその偽物である骨粉となった死神が無惨にも風に飛ばされる事無くそこにいた。
そもそもアイツはどうしてミアの姿をしていたんだろう……?
「ミア様はここにはいない」
「……えっ、なんで? なんでわかるの? もしかしてもう会ったとか……?」
カイトは答えない。
答えようとしない。カイトの背中がそう物語っていた。
「話はここを出てからだ」
「……!? ちょっ!」
カイトの腕は私の背中と足元にするりと伸び、そのまま抱き上げた。