私は異世界の魔法使い?!


人間ってこんなに跳ぶ事ができるものなのかな……なんて純粋に思ってしまうほどカイトは高く高く、跳躍した。

べろりと剥がれたそこから飛び出し、降り立ったのは砂地。

私を抱き上げるカイトの背後には断崖絶壁の崖。

その遥か向こうに小さくカラフルな森が見える。

ずっとビビット色に囲まれていたせいか、まだ目の前がチカチカと輝いていた。

そんな中でカイトの腕は私を地に降ろす。


ああ、どうしてなのだろう。


どうして、離れてゆく腕を寂しいと思うのだろう……。


あの温もりを恋しいと思う自分がいる。


それは、おかしい。


だってこんなことを思うのはおかしい事でしょう……?


彼は海斗じゃない。

海斗と同じ魂を持っていても、彼は私の良く知る幼なじみの海斗じゃない。


私が、ミアでは無いのと同じように。


だからこれはおかしい。

こんな風に感じるのはおかしいって事はわかってる。

そんな事分かってる……のに、それなのに心の中にはぽっかりと風穴が空いたみたいに、寂しい。


そこを冷たい風がどんどん吹き抜けて、私を冷やしてく。


だから私はこんなにも寂しいって思うんだ……。



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