私は異世界の魔法使い?!


「そういえばブルーベルはどうしたの?」


気持ちを切り替えようとさっきから気になっていた事を聞いた。

カイトの手の中にすっぽりと納まっていた妖精。

小さな体に雪のように白い柔肌。

愛らしい風体とは打って変わり、名前を聞き出し意識の底に眠らせようとする……。


「アイツの役目は終わったから解放した」

「えっ、そうなの? でもブルーベルはカイトの名前を知ってるからまたいつ襲ってくるかわからないのに?」


そうならない為に逃げられない様、ブルーベルを痛めつけていたんじゃなかったの?


疑問を眉に乗せてカイトを見やる。

そんな私を見下ろし、小さく笑った。

……それはいつもの憎たらしい表情で。


「ブルーベルはあの森から出てくる事はない。だからそれはいらぬ心配だ」

「じゃあその役目っていうのは何だったのよ」


カイトは突然、向き直る。

その表情は真剣そのもの。

瞳は私だけを映し出していた。



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