私は異世界の魔法使い?!
「本当にあの森にミア様がいるのかどうか、確かめる為だ」
「えっ、確かめるって……どうやって?」
「簡単な事だ。あの森にずっといるあの妖精は外部から侵入してきた者を知っているだろうからな。その侵入者の中にミア様らしき人物がいなかったかどうかを聞いたまでだ」
「それ……本当に正しい情報なの?」
あの人を騙そうとする知恵の高そうなブルーベルが正確な情報を教えてくれるとは到底思えないんだけど……。
そんな疑いの目で遠くに見える森を見つめる。さっきまであの中にいたはずなのに、今では手なんて届きそうにもない場所にある。
「ああ、嘘ではないだろう。なにせ嘘をつけばどうなるか、アイツらが一番分かっているからな」
アイツら……?
ブルーベルって何匹かいるの?
疑問を投げかけようとカイトを見た瞬間、彼の手には真っ青な苗木がある事に気がついた。
それは葉だけではなく木の枝、幹までも真っ青に輝いている。
カイトの手の平に乗る小さな苗木。
その葉から覗く豆粒程度の金色の果実。
それがそこはかとなくちりばめられている。