私は異世界の魔法使い?!
「ブルーベルが渡すわけないだろう。アイツを弱らせていたのは、そうすれば必ず果実を求めるからだ。そうなればあとは進もうとするブルーベルを追いかければいいだけの事。
アイツらならあそこの空間を最短で上手く移動する術を得ているようだからな」
「ふーん、そうなんだ。じゃあブルーベルがあそこにはもう、ミアはいないって教えてくれたんだ?」
「ああ、そうだ」
言葉短くそう返事をした後、どこか険しい表情を浮かべている。
その顔は迷宮の森がある方向とは逆の方角を向いている。
そんな様子が気になって、私もカイトが見ている方向を見やる。
けれど、そこには果てしない砂漠地帯が広がっているだけ。
「……どうかした?」
問いかけには何も答えなかった。
ただ険しい表情のまま、彼方を見ているだけーー。
一体どうしたというのだろう。
もしかして私がヘマばかりしてるから怒ってる?
……いいや、そんな感じじゃ無い気がする。
それにいつも私のヘマを見てても、怒りというより呆れの方が強いように感じるし、態度にもちょくちょく小出しにされてるし。
じゃあ何が彼をあんな険しい表情にさせているのだろう。