私は異世界の魔法使い?!
Parallel universe 3

・裏切り



 ◆ ◆ ◆


なんどか途中で知らない土地に降り立ち、休憩してからまたカイトが空間を切り裂く。

その空間に飛び込んでまた、見覚えの無い土地に降り立つ。

そうやってそれを何度か繰り返し、私達はやっと真っ黒い宮殿にたどり着いた。


「カイト、大丈夫?」


少しカイトの顔色が悪いように見える。

というか疲労が著しい気がする。


もしかして、もしかしなくても力の使い過ぎ、とか?

確かここから迷宮の森に向かう時は私に力を使わせたよね……?

あんまりその辺わかんないけど、ここから結構距離あるんでしょ?

それだけ魔力も消費するってことなんじゃないの?


「お前に心配されるほど俺は落ちぶれていない」


それは心配するなってことだよね。


「だけどそうは言ってもさ……」


森の中でも私を助けてくれたり、私のせいでブルーベルに眠らされたり……きっと力をたくさん使ったと思うのに帰りはなぜか私の力を使おうとはしない。

その上私には心配もさせてくれないっていうの?

カイトにとってはそれすらもウザいっていうの?


……やばい、なんかだんだん苛ついてきた。



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