私は異世界の魔法使い?!
口の端だけで微笑み、ミアは更に言った。
「私はね、実亜。アンタが羨ましかった。羨ましくって、憎らしかった。だから……殺したりなんてするものか」
「なん、で……」
なんでそこまで……?
私がミアに何をしたと言うの……?
私が羨ましかったって?
憎らしかったって?
それは全部、私のセリフなのに……。
カイトに尊敬され、沢山の人に慕われて、力もあって、能力にも長けてて、強くて、志の高いミア。
羨ましくって、憎らしい……そう感じるのは私の方じゃない。
同じはずなのにこんなにも違う。
今、この状態が全てを物語ってるじゃない。
なのに、なんで……。
「アーク。実亜を別の次元へ連れて行って」
「シシシッ、いいよー。なんだか楽しそうだし」
アークは私の手を掴み、タキシードの内ポケットから懐中時計を取り出した。
「実亜。絶望の中で消えなさい」
その声が聞こえたのが最後だった。
あとは眩い光が私を包み込み、意識と共に私を別世界へと誘ったーー。