私は異世界の魔法使い?!
その言葉が最後だった。
それを最後に、私の世界は幕を閉じたように消え去った。
「mia……mia……起きて……」
この、声は……。
「……riria?」
私は瞼を開けた。
窓の外から差し込む光。
それが妙に眩しくてもう一度瞼を閉じた。
「良かった。なんだか寝言言ってたから、つい声をかけちゃったけど、大丈夫? あんまり夢見よくなさそうだったけど」
「……寝言言ってる時は声をかけちゃだめなのに」
「えっ? 何か言った?」
さっきまでベッドのそばにいたririaはすでに立ち上がり、私に背を向けていた。
「ううん、なんでもない」
寝言を言ってる時、人は魂が肉体から離れ、別の世界へと飛びたっている……そうノアが教えてくれた。
でも私の場合、既に魂が肉体を飛び出し、別世界へとやってきている。
こういう場合、どうなるんだろう……なんて考えながら私はゆっくりと体を起こした。