私は異世界の魔法使い?!


カイトは剣をなかなか収めようとはせず、男の後ろ姿が見えなくなるまで睨み続けていた。

そんなカイトの背中に向かって、ぼそりと呟いた。


「……ねぇ、説明してもらってい?」


はっと我に返ったカイト。

私の声に反応して振り向いた瞬間……。


「勝負ってなに!? 花嫁ってなに!?」

「ミっ、ミア様?」


私の中のマグマが爆発した。

カイトのマントを握り締め、眉間にシワを寄せ、これでもかと睨みつける。


大体アイツは何者なのよ!

手の甲にキスってどこの国の文化だ。

……って、国どころか世界が違うのか。

いやいや、それでも話がぶっ飛びすぎてる。


私の殺意溢れる睨みにあたふたするカイト。

その頭上には疑問符が浮かんでいる。


「なにを今さら言ってるのですか……?」

「今さらもなにも、そもそも私はミアじゃないって言ってるでしょーが!」


そうだ、まず論点はそこだ。

そこが理解してもらえないから話が進まないんだ。


……でもどうすれば理解してもらえるのか。



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