私は異世界の魔法使い?!
「ミア様、まだそのような事を言って……ミア様らしくありませんね」
「だから違うって言ってるでしょ! らしくなくて当然よっ」
吠える私に、再び疑問符を浮かべるカイト。
話はどうしても平行線。
これだけ言っても分かってくれない頭でっかちなカイトに、どんどんイライラが募ってゆく。
その上あっちの世界の海斗と姿形がそっくりなものだから、余計私のボルテージは上がりっぱなしだ。
「大体海斗はいつもそうなのよ、人の話なんて聞こうともしない! 人が撮り溜めして後で見ようと思ってたドラマのラストだって、言わないでってあれほど言ったのに簡単に言っちゃうし。
宿題だって自分でやんないでこっそり私の答え写したりしてるし。挙げ句私が楽しみに取っておいたモンブランを食べちゃうし……!」
「……それは、なんの話でしょうか?」
「うっさい! 単なる八つ当たりだ!!」
「そっ、そうですか……」
……恐縮です、とでも言い出しそうな顔で、私のはけ口となるカイト。
言い返してこないところが海斗とは違う。
……というか、言ってる意味が分からないせいだろうけど。
でも海斗なら理不尽な言動にも噛み付いてくるんだ。