私は異世界の魔法使い?!


「なに? 今私のこと馬鹿にしたでしょ」

「いえっ! そのような事はめっそうも……」

「じゃあなに? 今思ってたこと言ってみなさいよ」

「……」


……顔を逸らした。

気まずそうに口元を引きつりながら。


「よし、その沈黙は肯定と捉えた」


今回はたとえ首を切ろうとしても、私止めないから。

ちゃんと最後まで見届けてあげるよ。


そう思って冷ややかな視線を向けるが、残念な事に今回カイトは剣を抜かなかった。

慌てて片膝を折り、手を胸に当てて俯いただけ。

敬意を示すように、謝罪するように。

はたまた懇願でもするように。

そして慌てた様子で言葉を紡いだ。


「ちちちっ、違いますっ! ただ、ミア様こんな初歩な事をお忘れになるとは思わなかったものでして……」

「悪かったわね。ってか、何度も言うけど、そのミア様って人とは違うから」


この幾度となく繰り返す会話にいい加減嫌気がさしてきた。

もうこのままミアとして話を進めて、実際のミアと対面してしまう方が楽なのではないかと思う。



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