私は異世界の魔法使い?!
ーーいや、待てよ。
けど、これだけもてはやされる相手になりすまして、本人と対面してしまったら、下手すれば私は罪人扱いにされかねない。
そしたら今度は本当に殺される。
チラリとカイトの腰に差してある剣を見やる。
あれが私を貫いて……ひー、無理無理!
やはりここは誤解を解いて……。
そう思って口を開こうとしたが、
「コホン……大変失礼いたしました。ミア様はお忙しい身、お忘れになることくらいあるでしょう。ではわたくしの復習を兼ねて説明させていただきます」
と、私の反論は全く無視し、話を進められてしまった。
「まずソーサラーというのは男性の魔法使いを指す言葉です。逆に女性はソーサレスと呼ばれています。
この国自体が魔法や魔術という言葉同様、ソーサリーと呼ばれる語源からきたものと言われています」
ちょっと待て。
それじゃあ……。
「さっき、この国のトップに立つソーサレスって……」
「はい、ミア様はこの国で一番の力を持つお方ですよ。数いるソーサラーやソーサレスの中でミア様に敵う者はおりません」
誇らしげにそう言った後、再び片膝を折り、忠誠を誓った。