私は異世界の魔法使い?!


冗談でしょ……。


「そんなに最強系なの……? ミアってのは……」

「何をご謙遜を。なにせここは力の象徴である宮殿、力のある者のみが住まうことのできる場所ではありませんか。それが何よりの証拠です」


きりっとした瞳を向け、言い切るカイト。

その瞳を真っすぐに見つめることの出来ない私……。

それもそのはず、自分はカイトの言うミアとは違うのだから。

今向けてる眼差しも忠誠心も全て、私ではなくもう一人の私に向けられたものだ。


再び立ち上がりカイトは歩き出す。

その後を追って、同じく私も歩き出す。


「力の象徴であるが故、力がなければここに住むは許されない……ですから、ミア様が今日の勝負までに戻って下さって助かりました。

ミア様が勝負に負けるわけがありませんから。それなのに不戦勝であのような者にこの宮殿を明け渡すなど……」

「ねぇ、じゃあミアもこの宮殿は戦って勝ち取った場所ってこと……?」


話を割って入ったにも関わらず、カイトはにっこりと微笑み、そうですよとだけ言葉を返す。



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