私は異世界の魔法使い?!
ちょっと待て。
ちょっと待てよ……?
とにかく一旦落ち着こうと大きく深呼吸し、肺と脳に空気が送り込まれた事によって、さっきよりきちんと物事を考えれる状態になった。
すると再び床の冷たさが足の裏を刺し、ぶるる、と震える。
マントを羽織っても足は素足のままだから当たり前といえば当たり前なのだけど。
けれどこの震えはそれじゃない。
「ミアは一体どこにいるの……? 一体いつから姿を消したの……?」
再び足を止め、振り向いたカイトの顔は呆れた様子。
またですか、とでも言いたげに。
「ミア様……まだそのような事を言って……」
「ちゃんと話を聞いてっ! 私はミアじゃないんだってば。どーして分かってくれないの?」
このままじゃ、ダメだ。
このままだと本当に勝負とやらをさせられて、そして私は確実に勝負に負けてしまう。
勝てる自信なんてあるわけがない。
力もなければ、魔法だって使えないんだから。