私は異世界の魔法使い?!
声はこの広々とした空間に響き、私の鼓膜も揺さぶった。
その衝撃に思わず足を止め、振り返る。
「ーーはっ?」
「選ばせてやるよ。このままミア様として戦うか、お前はミア様に扮した賊として冷たい牢獄で殺される末路を辿るか……お前はどっちがいい?」
振り向いた先にいるのは、さっきまでの優しい雰囲気を出していたカイトとはうって変わり、意地悪そうな口元が容赦なく冷めた言葉を投げつける。
一気に纏うオーラが冷たくなったカイト。
思わず……別人?
そう思うほどに、暖かみというものを感じられなかった。
「どうしてそんな……っ」
呼吸が乱れる。心臓の音も煩くて……。
脈拍はどんどん上がっていくのに、体温は下がってゆくのを感じる。
足は既に感覚を失いかけていた。
指先もどんどん冷えてゆく。
震えそうになる肩を抑えて、羽織ったマントをギュッと握り締めた。