私は異世界の魔法使い?!
「時間がない。さっさと決めろ」
冷たい。
修学旅行で行った雪山のほうがまだ暖かく感じるのではないかと思えるほど、今目の前にいる人物は冷ややかな冷気を纏っている。
なんで突然こんなことをいうのか。
なんでーー。
そう思った時私の中で足りなかったパズルのピースが突然現れ、カチリという音を鳴らし、はまった。
もしかしてカイトは……既に私がミアとは違うってことに気づいてたーー?
「……いつから? 一体いつから分かってたの……?」
あんなに私の話を聞こうとも、理解しようともしなかったのに。
ぐるぐると疑問がトグロを巻いてゆく。
けれどその疑問が解消される前に、カイトは私の前までやってきてしまった。
相変わらず表情は凍ったように冷たい。
瞳が鋭く私を捉えて、刺す。
カイトのクセにっ……海斗と同じ顔、同じ魂のカイトのクセにっ……!!
「そうか……わかった」
カイトは服に付いた埃でも払うように……あっさりと簡単に、かつ淡々とーー言葉を吐き捨てた。