私は異世界の魔法使い?!
どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう……。
このままじゃ殺されちゃうし、かといってその勝負とやらに出て勝てる自信はないし。
でも、ここで死ぬよりはマシ?
そもそも勝負って言っても別に戦闘とは限らないし。
……負けても死ぬわけじゃないんだよね?
負けたら結婚してこの宮殿を明け渡すだけでしょ?
……って事は、負けても本人じゃないんだからお咎めないんじゃないかな?
ミアがいないと分かれば勝負も再試合するかもしれないし。
なにせコイツが私に無理矢理戦わせたって言えば何とかなるかも…………いや、それはないか。
聞いてる限りだと、コイツは簡単に私を賊扱いにして首をちょん切ってしまう気がする。
なんかそう考えると心底腹が立ってきた……。
海斗と顔が同じなだけ、余計に。
「……いいわ。勝負とやらに出てやろうじゃない!」
もうどうにでもなれ、だ。
ここでカイトに殺されるくらいなら、もう少し足掻いてやろうじゃないか。
そう決断したが……カイトはなかなか剣を収めようとはしない。