私は異世界の魔法使い?!


「まず俺は最大限お前が勝つためにサポートしてやる。だが、それでも勝負する時はお前一人であのさっきの下衆野郎と戦わなくてはならない」


……なんていうか、ひどい言われようだな、さっきの人。

結構かっこ良かったのに。


「おい、聞いてるのか」

「はい! 聞いてますともっ!!」


なぜカイトに敬語を使わなければならないのか。

瞬時にそう思ったが、太刀の腹を鏡にしてそれ越しに話しかけられてしまってはさすがに縮み上がらずにはいれない。

あっちの世界の海斗と同じ魂の持ち主だとはいえ、いくらなんでもこんな脅しなどかけられた事が無い分なんだか泣きたくなってきた。

顔や声が同じなだけにカイトが海斗とシンクロして見えて。


……ああ私は今、幼なじみに殺されかけてるんだ。


なんて悲しい状況を把握してしまって。


「とにかく逃げる事は許さない。負ける事も許さない。さもなくば……」

「わかってる! わかってるよっ」


さもなくば殺すって言いたいんでしょ!?

そんなのこっちだってごめんなんだから!



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