私は異世界の魔法使い?!
・人魚のドレス
「ぶっ!」
「それに着替えろ」
広間を抜け長い廊下にいくつかあった部屋のひとつに入ると、どうやらそこはクローゼットルーム。
数ある服やら鎧の中から一枚の服を引っぱり出したカイトは、それを乱雑に投げ渡し、それを私は顔面で受け止めてしまった。
顔にかかった布切れは少しざらざらとした肌触りで、地味に痛い。
ミアじゃないって分かった途端、態度急変し過ぎじゃない……?
「……ムカつく、海斗のくせに」
「何か言ったか」
「別に。なにも」
口を尖らせ、投げ渡されたそれをよく見てみると……淡くミントグリーン色をしたドレスだった。
ざらざらとした肌触りの素材は、一見スパンコールのよう。
けれどそれとは異なる。
どちらかといえば……。