私は異世界の魔法使い?!
「何このドレス……」
「人魚の鱗から出来た防御力の高い服だ。魔法が使えないのであれば、それくらいの装備は必要だからな」
人魚の鱗。
この世界には人魚もいるんだ……。
「防御力高いって言うけど、こんな薄っぺらい服で本当に大丈夫なの?」
明らかにペラッペラだ。
ドレスなのだから当たり前だけど、これでは本当に防御力が高いのかは怪しい。
それならもっと甲冑とか、鎧とか、そういった類いの物の方がいいんじゃないか……そう思っていた時ーー。
ーーザンッ!
……呆気。
突然のことすぎて状況が読み込めず、ただ馬鹿みたいに目を見開き口なんてバネが伸びきったように開きっぱなしでさも滑稽な顔をしていることだろう。
そんな様子を恥ずかしいとも思わず、脳が今起きたことを飲み込もうとした瞬間……私の腰は砕けた。