私は異世界の魔法使い?!
ああもう、短気だなぁ!
「わかったわよ。じゃあ着替えるから、部屋から出てって」
「ダメだ。俺はここにいる」
「はぁ!?」
飄々と言うカイトを見つめる。
目を真ん丸と、目尻が引き裂けんばかりに見開いて。
「ちょっと……自分が何を言ってるか分かってるの!?」
目の前で着替えろっていうワケ?
ストリップショーでもあるまいし。
いくら幼なじみだからって出来るわけないじゃない。
……って、カイトはそもそも幼なじみでもないし!
「女の子の生着替えを堂々と見れるとでも思ってるの? 絶対嫌だからねっ」
「俺が部屋を出てる隙に逃げ出そうと考えるかもしれないだろう」
「どうやってよ!」
部屋は密室。
出入り口はカイトの背後にある扉一枚のみ。
窓だってないんだ。それこそ魔法でも使わなければ逃げ出しようがない。
「魔法が使えないのに、どうやって逃げ出せるっていうのよ」