私は異世界の魔法使い?!
やっぱ海斗と同じ魂を持った人間だ。
コイツほんと馬鹿だ!
「いいや、お前自身が使えないとしても、別の道具を使って逃げ出すかもしれないからな」
「無いよ! どう見ても丸腰でしょっ」
「体内に隠し持ってるかもしれないだろ」
「持ってない!!」
麻薬密売人か、私は!
「とにかくダメだ。俺はお前を信用していないからな。第一そんな貧相でちんちくりんな体を見たところで何も感じないから安心しろ」
ちっ、ちんちくりんで悪かったなっ!!!!
確かに胸も無ければ、足も太いし、寸胴だ!
けど、そこまで言われる筋合いはない!!
肩から羽織っていたカイトのマントを床に叩き付け、踏みつけた。
「わかったわよ! 居ていいよ! そのかわりこのマントからこっちには入って来ないでよねっ」
鼻息荒く、フン! と鳴らし、踵を返して扉とは逆の方向へ歩き出す。
なるべくカイトから離れてから、たくさん掛けられている服の中へと潜り込んだ。