初恋の人へ。





「そーいやさ」

「ん?」

「覚えてる?コイツ」

そう琉生くんが言うと
ワン!と鳴き声がした。
そこには、見覚えのあるわんちゃんがいた。




「あ!ストックだっけ?懐かしいね!」

「そう。花の名前だって言ったじゃん?」

「あれ、そうだっけ?」

「忘れんなよ。でさ、ストックっていう花の花言葉が、
 永遠の恋 なんだってさ。
 俺らの恋も永遠になったら、いいよな」




永遠の恋かぁ・・・。
永遠なんてないと言うけれど、
私は・・・


「永遠だよ、絶対!
 来年も、再来年もこの先もずーっと
 この丘で会おうよ!」

「そうだな」

そう言って琉生くんは、
自分の唇を私の唇に
そっと重ねた。









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