マリー
「でも、麻里ちゃんよりも、伯母さんのほうが仲良かったんじゃないの? 結婚したんだもん」
「子供のときは良く遊んでいたけど、そのうち疎遠になったし、わたしはそうでもなかったよ。会えば挨拶はするだけの関係。将さんと麻里ちゃんとは、良く一緒にいるのは見かけたし、本当に仲が良さそうだった。あんなことさえなかったらと、今でも思うわ。それに大人しくないわたしは標的にならなかった気がするかな」
彼女は寂しさをにじませながらも、笑顔を浮かべる。
彼女は麻里が大好きだったんだろう。
麻里は彼女だけ最後まで直接的な標的にはしなかった。知美にとって効果的でなかったのか、別の感情があったのかは分からない。話を聞く限り、麻里をストレートにかばったのは彼女だけだったのかもしれない。
夏は分からないことだらけだった。少しずつ分からないことが埋まっていく。だが、その中心部分は空洞で、決して埋まらない。
玄関の開く音がし、段ボールを抱えた将がリビングに戻ってくる。
「子供のときは良く遊んでいたけど、そのうち疎遠になったし、わたしはそうでもなかったよ。会えば挨拶はするだけの関係。将さんと麻里ちゃんとは、良く一緒にいるのは見かけたし、本当に仲が良さそうだった。あんなことさえなかったらと、今でも思うわ。それに大人しくないわたしは標的にならなかった気がするかな」
彼女は寂しさをにじませながらも、笑顔を浮かべる。
彼女は麻里が大好きだったんだろう。
麻里は彼女だけ最後まで直接的な標的にはしなかった。知美にとって効果的でなかったのか、別の感情があったのかは分からない。話を聞く限り、麻里をストレートにかばったのは彼女だけだったのかもしれない。
夏は分からないことだらけだった。少しずつ分からないことが埋まっていく。だが、その中心部分は空洞で、決して埋まらない。
玄関の開く音がし、段ボールを抱えた将がリビングに戻ってくる。