マリー
「わたし、友達が出来たの」

 家の中に帰ると、机の一番下の引き出しからマリーを取り出す。

 彼女の青い目をじっと見つめる。

 マリーはしばらく机の上に置いていたが、しばらくして彼女は夢の中で、自分を人目につかないところに隠してほしいと要望したのだ。


 知美は迷った結果、普段は机の一番下の引出しに、入れておくことにした。

 毎日学校から帰って、その日にあったことをマリーに聞かせる。いつもは話をしようにも嫌な事しか口に出来ないが、久々にあった嬉しい出来事をマリーに伝えたかったのだ。

「どんな人か分からないけど、仲良くなれたらいいな。わたしに友達が出来たら喜んでくれるよね」

 知美はマリーの頭を撫で、彼女を引きだしに戻した。
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