マリー



 真美は学校の中で誰が見ていようと知美に話しかけてきた。それが他の人とは違うという気持ちを知美に与える。

知美も彼女に対して心を開いていく。二人のお互いの呼び名は名前に変わり、彼女とは朝も一緒に行くようになった。


 真美と友達になってから、学校も前ほど嫌ではなくなっていた。運動も勉強も出来る彼女を慕う生徒は少なくない。誰とでも同じように接し、裏表のない彼女なら尚更だ。彼女の家が裕福だというのもそれに輪をかけているのだろう。

 今まで傍観していたクラスメイトも知美を見て笑ったりすることが明らかに減っていた。

 優子と彼女の周辺の人、高田だけは相変わらずだったが気にならなかった。

 高田が配ったプリントを各々が一枚ずつ手に取り、後ろに回していく。知美はそのプリントを確認して、思わず声をあげそうになる。

 そこには修学旅行のお知らせと日程が書かれていた。知美は以前の学校で修学旅行に既に行っていため、考えた事もなかったのだ。

 
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