キミが泣くまで、そばにいる


 そんなことありえるの!?

 ぞっとするほど難しかった問題を思い出しながら、細い肩を前後に揺さぶる。

「ち、ちーちゃん、落ち着いて」

 私は1年の欄に掲載されている名前をもう一度見た。

 2位、井端暁(3組) 490点

 順位表は何日か前から張り出されていたけれど、興味も関係もないからこれまで素通りしていた。

 今、目に入ったのもたまたまだ。レミを待っているあいだ、廊下でお茶を飲もうと顔を上げた瞬間、張り出されていたその名前に気が付いた。

「アカツキが、2位なんて……」

「ちーちゃん、ちーちゃん、ここも見て」

 脇でレミがウサギみたいにぴょんぴょん飛び跳ねる。言われるまま視線を動かして、私は固まった。

 10位、北條玲美(3組) 443点

「じゅじゅじゅ、10位!?」

「えっへーん」 

 薄い胸を得意げに反らすレミを、信じられない気持ちで見つめる。

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