キミが泣くまで、そばにいる
外見がよくて、無邪気に笑いながらえげつないことをして、そのうえ頭までいいって……。
「どこまでアカツキとかぶるんですか、あなた……」
「まあまあ、そんなに気を落とさないで」
私が成績のことで落ち込んでいると思ったのか、レミの口調は優しい。
「ちーちゃん、数学だけはびっくりするくらい良かったんでしょ?」
そうなのだ。ほかの科目はことごとく平均点以下なのに、数学だけ驚きの80点台をマークした。
ファストフードでアカツキに教えてもらったところが出たからだ。
ひとりで黙々と勉強していた微笑み王子の姿を思い出す。
よく考えてみると不思議だ。
あんなに完璧な王子が、なぜ私なんかをわざわざ小間使いにしているのか。
脅されてるといっても、言いつけられるのは単なる雑用ばかりで、たいしたことはない。