キミが泣くまで、そばにいる
「クラスメイトの真辺知紗だよ。知紗、これ、うちの姉貴」
「こんにちはー、姉の井端月乃(イバタ ツキノ)です」
茶色の巻髪と桜色のニットに白いパンツ。そのままお姉さん向けのファッション雑誌に載っていそうな月乃さんは、笑い顔もきれいで、おまけに優しそうだ。
「こっちは朱里(アカリ)。ごめんね、人見知りが凄くて初対面の子には愛想がないんだけど、悪気はないの」
月乃さんに肩を抱かれた黒髪の美少女は、ギンガムチェックのワンピースをさらりと着こなしていて、とても清楚な感じだ。
月乃さんに負けず劣らずの美人だけど、大きな目をまっすぐ注がれると、ちょっと怖い。
「は、はじめまして。真辺知紗です」
「はは、朱里姉、見すぎ。知紗が引いてるよ」
朱里さんは驚いたように二、三回まばたきをして、気まずそうにうつむいた。
「い、いや、全然引いてなんてないです大丈夫です」
慌ててフォローしていると、アカツキがくつくつ笑いながら月乃さんを見る。
「今、昼休憩なんだけど、競技見てくの?」