キミが泣くまで、そばにいる
「お前またカレーじゃん! ほんと大丈夫かよ」
「カレーじゃなくてカレーパンだし。味覚も至って正常だから」
「いや、味覚の問題じゃなくて」
トワくんを遮るように、アカツキはちらりと私を見た。
「そうそう、ついさっき姉貴たちに会ったんだけどさ」
「え、月乃さんと朱里が来てんの?」
自分の彼女について苦々しい顔で語っていたセイが、ぱっと表情を明るくした。
「うん。でさ、なんと朱里姉が知紗にLINE教えてた」
「はあああ?」
いきなり立ち上がったセイに、教室中の視線が集まる。
注目を集めることに慣れている本人は、周囲の目など気にせず口をあんぐりと開け、頬を痙攣させながら私を見下ろした。
「俺、朱里に口きいてもらうまで3年かかったのに、なんでちィが」
「アカツキの姉ちゃんかぁ。見たことあっけど、話したことはねぇな」
「俺もない。でもあんな姉ちゃんなら、禁断のロマンスもありかも」
「キモいなダイチ」