キミが泣くまで、そばにいる
「あはは、セイはほんと朱里姉が好きだよなぁ」
「セイって実はさ、アヤカさんみたいなお色気系より、ミステリアス系美女のほうが絶対タイプだよな」
うんうんとうなずき合うアカツキとダイチくんを無視し、セイはびしりと私に指を突き立てた。
「明日、ちゃんと来いよ!」
「明日?」
「ふん」と鼻を鳴らすと、セイは「購買行ってくる」とドスドス足音を響かせて教室を出て行った。
「アカツキ、明日って何? 振替休日だよね」
「内輪だけで体育祭の打ち上げしようって話になってるんだよ。知紗も参加ね」
「ええ……せっかくの休みなのに」
「セイもああ言ってたし。強制参加だから。わかった?」
微笑み王子の迫力のある笑みに、思わず「はいぃ」と返事をしてしまうのだった。