キミが泣くまで、そばにいる


 アカツキがふらついたとき、みんなあまり驚いていなかった。

 少なくとも、私が受けたほどの衝撃を、彼らは受けていないように見えた。

 それって、ああいう事態に慣れてたってこと……?

 アカツキもタクシーに乗り慣れてるみたいだし、こういうの、もしかして初めてじゃない?


「なんか知紗、思いつめた顔してるけど」

 ふいに声をかけられ顔を上げると、王子と目が合った。

「別に、病気とかじゃないから、俺」

「え……」

「前にも1回だけ貧血になったことがあるけど、単なる不摂生が原因」

 背もたれにのけぞって、「ダイチは過保護なうえに大げさだから」と笑う。

「ああ見えてセイも心配性なんだよ」

「そう、なの?」

 不摂生が原因ということは、身体がどこか悪いわけじゃないのかな。

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