キミが泣くまで、そばにいる
「で、アカツキな。身長175センチ。
こんなチャラい見た目のくせに、このあいだの学力テストで学年2位。頭いいとかふざけんなムカつく爆(は)ぜろ。あだ名は爆笑エリート」
「おいセイ、今なんか悪口挟まってたけど」
微笑み王子が笑いながら突っ込むと、星野彗は「けっ」と言って私のお弁当から卵焼きを奪った。
「ああ私の卵焼きぃぃ!」
ごくんと上下する喉を絶望的な気持ちで見ていると、背後からアカツキの声が聞こえる。
「最後に星野彗(ほしの せい)。
身長は……173だっけ? とにかく自由人。こう見えて実はお坊ちゃん。俺とは中学が一緒。あだ名は……女好き?」
「違う! 女全員を好きなわけじゃねえ! 俺は可愛い女が好きなんだ!」
「さ……最低だぁ」
心の声が漏れてしまい、金髪美形にぎろりと睨まれた。
目つきの鋭さと顔全体の美しさがあいまって心臓が変なふうに高鳴る。
「安心しろ。不合格なちィのことは別に好きじゃねえから。そして告ってくんなよ」
「こっ……告らないし!」