キミが泣くまで、そばにいる
私が返事をする前に、女の子がたくさんいる華やかな雑貨店に入っていく。
奥に消えていく背中を、ぽかんと見つめてしまった。おかげで、店内の女の子たちがアカツキを目で追う姿がばっちり見えた。
「ほんと凄いな……」
セイたちもそうだけど、人目を集めるほどの美形って、どういう気持ちで日々を過ごしてるんだろう。
何をやっても目立つから、悪いことはできないし、生きづらくないのかな。
しかもアカツキは、何も考えていなさそうな金髪ぼっちゃんと違って、無理して明るく振舞ってる感じがするし……。
そこまで考えて、おやと思った。
アカツキが無理してる?
なんで、そんなふうに思ったんだろう、私。
頭をよぎったのは、彼が部屋で見せた表情だった。
瞳を潤ませて、まるで涙を必死に堪えているみたいな……。
「君!」
背後で声がした。
びっくりして振り向くと、1、2コ上くらいの男の人がふたり、にこにこしながら私を見下ろしている。