キミが泣くまで、そばにいる
駅の出入り口で立ち尽くしていたら、後ろから来たサラリーマンに軽くぶつかられた。
迷惑そうに眉をひそめて去っていくその人を見て、私は足を踏み出した。のろのろと改札をくぐり、ちょうど来た電車に乗り込む。
上り方面のおかげで帰宅ラッシュには巻き込まれなかった。すみっこの席に座り、髪に留めてあったシュシュを手に取る。
女性客と可愛いグッズで溢れかえっていた雑貨店に、ためらいなく入っていった細い背中が思い出される。
顔が、熱い。
アカツキがくれたのは、青いグラデーションがきれいな星柄のシュシュだった。
「夜明けの色だ……」
可愛いけど、落ち着いた色合いが甘すぎない。
きらきらぴかぴかの小物が苦手な私にも、やさしく寄り添ってくれそうな女子アイテムだ。
「なんで……?」
胸がぎゅっと締まる。
シュシュには金色の鎖がついていて、小さな星のチャームが、電車の揺れに合わせてゆらゆら揺れた。
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