キミが泣くまで、そばにいる
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私、変だ。
窓の外は、バケツの水をひっくり返したような雨だった。
ときどきカメラのフラッシュみたいな閃光が駆け抜け、そのたびに学生食堂はちょっとざわつく。
「ごめんね、ちーちゃん。付き合わせて」
トマトソース・スパゲティをトレーに載せたレミが、正面の席に着く。私はお弁当をつつきながら首を振った。
「たまには学食で食べるのも、悪くないでござる」
普段接点のない2、3年生がいることも新鮮だ。
制服をかっこよく着崩していたり、1年にはない大人びた雰囲気を持っていたり、男女問わず堂々とした姿がかっこいい。
「それにしても、すごいねーセイくんたち」
ひときわ賑やかな一角を横目で見ながら、レミはパスタをフォークに巻きつけた。
「上級生のお姉さんたちとも仲いいんだ。ね、ちーちゃん」
頑なにお弁当から目を離さない私に、レミは「ね、ちーちゃん」としつこく声をかけてくる。
「う、うん」