キミが泣くまで、そばにいる
「ふ、ぐ」
きらきらした眼差しで再度言われ、私は口に入れたばかりのプチトマトをまるごと飲み込んだ。
間近で見ると、アカツキは本当に可愛い顔をしている。
にきびひとつない肌とつやつやの唇は、まるで女の子みたいに愛らしい。
そして印象的な、大きくて丸い瞳。
目力というやつかもしれない。見ているだけで、強く引き込まれる……。
「あっ、アカツキ卑怯ー! 至近距離のガン見、禁止!」
トワくんの声に、はっと我に返った。
あわててアカツキから目を逸らす。
あ、あぶない。何ときめいてるんだろ!
私には先生という大切な人がいるのに。
「別に、今のは不可抗力でしょ」
アカツキの笑い声を聞きながら、私はすうと息を吸った。
早く質問に答えて、ここを離れよう。
こんなイケメンたちに囲まれていたら、頭がおかしくなってしまう。
「真辺知紗、お答えします!」
宣誓! と運動会で誓うみたいに右手をぴんと掲げると、イケメン5人の視線が集まった。
それだけで、額に汗がにじむ。イケメン5人分の視線は、きっと機関銃と同じくらい威力がある。