キミが泣くまで、そばにいる


「なんかちーちゃん、わざと見ないようにしてる?」

 レミの言葉にぎくっと身体がこわばった。

「な、なんのこと?」

「さっきから、視線がおかしいっていうかぁ」

 レミはフォークを口に運びながら首をかしげる。

「目が泳いでるっていうか」

「き、気のせいじゃないかな」

 焦りながら、私は肉団子にかぶりついた。

 レミの言うとおり、私は確かに見ないようにしている。

 無意識に目で追ってしまう自分に抵抗するように、意識的にアカツキのほうを向かないようにしていた。

 それでも彼の声が聞こえると、どうしても見てしまう。

 賑やかな輪の中で、笑顔を振りまいている微笑み王子。

 やっぱり、変だ。

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