キミが泣くまで、そばにいる
頬を引きつらせる彼らに、アカツキは「そう」とだけつぶやいた。顔には小さな微笑みがある。
でも、なんだか……顔色が悪い?
「ごめん、俺用事できたから、帰るよ」
微笑み王子が座席に置いてあったカバンを持ち上げた。
「え、まじか」
「わかんないとこあれば、明日教えるから」
力ない笑みを浮かべて、アカツキはお店を出て行ってしまった。
「俺らだけで勉強しててもなぁ……」
ダイチくんたちが顔を見合わせる。
「先生が帰っちまったら、解散するしかねえよな!」
開放された笑顔で言い放ち、トワくんが立ち上がった。
「じっとしてたせいか、やたらと動きてぇ! バッティングセンター行こうぜ!」
「お、賛成」
帰り支度をはじめたふたりが、私を見る。
「チーコは? 何気にかっとばすタイプだろ?」
「あ、私は、今日はやめとくよ」
「ふーん、そっか」