キミが泣くまで、そばにいる


 トワくんとダイチくんがお店を出て行って、ひとりになると、私はテーブルに突っ伏した。

 まぶたの裏に、アカツキの表情が残ってる。

 変だった。絶対、変だった。

 アカツキには、何か秘密がある。

 それを、トワくんとダイチくんは、たぶん知らない。

 アカツキが見せてないからだ。

 真っ白なノートに顔を埋めながら、私はうめく。

「勉強なんて、手につかない……」

 そのとき、

「あれ、ちィだけかよ」

 傍らで声がして、あわてて身を起こした。
 だらしなく制服を着崩した金髪の男が、私を見て顔をしかめる。

「ほかの奴らは?」

「セイ。デートじゃなかったの?」

「なんか面倒になったから、やめた」

「なにそれ……」

 セイはだるそうに耳に小指をつっこみ、あたりに目をやった。

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