キミが泣くまで、そばにいる
* * *
終わった。
まだ5月なのに、ゴールデンウィークが明けたばっかりなのに、
私――真辺知紗(まなべ ちさ)の高校生活はあっけなく終了しました。
受験勉強を頑張って入った朝比奈高校は、県内ではちょっとした進学校だ。
1年生ということもあってか、周りを見渡せば、黒髪の真面目そうな生徒が多い。
私の席は1年3組の真ん中でしかも最後尾だから、教室の様子がよく分かる。
入学直後から制服のスカートを短くしている女子グループと、控えめで大人しいタイプの女子グループ、そのどちらにも属していない私と友達のレミ。
クラスの男子は、中学生のときの幼さが残ったままの連中と、カッコつけているけど微妙にカッコよくない数人がよく目立っていた。
そんななか、ひときわ目を引く男子生徒がいる。