キミが泣くまで、そばにいる



「……」
 

凛々しい眉に、ほんの少し下がった目尻。

メガネをかけていないと印象が薄れてしまうほどすっきりとした顔立ちをしている先生は、とても優しい。

困ったように笑いながら、私のわがままをいつも受け止めてくれる。
 
とても大事な……人。


「……ごめんなさい、なんでもない」
 

私が笑うと、先生は不思議そうな顔をした。


「知紗……何かあった?」

「ううん。何もないよ。あ、私時間かかるから、先生の先に買っていいよ」
 

自販機から離れながら思った。

アカツキの問題は、私ひとりで解決するべきだ。
 
私たちの関係がバレたら、誰よりも先生が困った立場に追い込まれてしまう。

大切な人に迷惑をかけたくないし、余計な心配もさせたくない。
 
だから、私がなんとかしなきゃ。
 
だけどせめて……。


「先生、お願いがあるんだけど……」
 

カフェラテを買った先生が「うん?」と屈めていた身体を起こす。


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