キミが泣くまで、そばにいる


 冷たく言い放ったと思ったら、ぼそりと続ける。

「ただ、あいつの仲間でいるだけだ」

 何も聞かず、何も言わず、普段通りにアカツキのそばにいること。

 変わらず日常を過ごすこと。

 特別に何かをすることだけが、アカツキを救うことにはならないと、セイの瞳は語っていた。

「じゃあ、なんで……私に教えるの?」

 名刺を持つ手が震えた。

 病院という言葉から導き出される解答は、どう考えても、前向きなものには思えない。

 私がそれを知ったところで、アカツキのためになるかは分からない。


「ちィはアカツキの忠犬だろ」

 セイの形のいい唇が、かすかに弧を描いた。


「忠犬は、ご主人のために……どうすんの?」
 

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