キミが泣くまで、そばにいる
1 本当に?
* * *
期末テストが終わると、土日を挟んで答案の返却期間になった。
窓の外からはセミの重奏が聞こえてくる。
この季節になると日差しがきつそうなアカツキの席は、ここ3日空っぽだ。
最後に彼を見たのは土曜日。セイたちと告別式に参列したときだった。
制服姿で遺族席に座っていたアカツキは、笑ってこそいなかったけれど、悲しそうな顔もしていなかった。
涙も、なかった。
ただじっと、前を向いて座っているだけだった。
「このまま夏休み突入かなぁ、アカツキくん」
窓際の席を見て、少し寂しそうに、レミがつぶやく。
土日が重なったこともあって、アカツキのお母さんが亡くなったことはあまり知られていない。
私とレミとセイたちと、ごくわずかな人たちだけが、日常のかたすみでアカツキを気にかけている。