キミが泣くまで、そばにいる



 放課後、いつものメンバーでお店にいるときも、アカツキは笑っていた。

「おいバカ! 人のポテト勝手に食ってんじゃねえよ」

「はぁ? 誰がバカだよくそトワ!」

「お前だよ! 数学で8点を取った1年1組の星野彗だよ!」

 小学生のような掛け合いに、アカツキは肩を震わせている。

「おい、笑ってっけど、お前は何点だったわけ?」

 トワくんに尋ねられ、アカツキは今日返却された答案用紙をカバンから取り出した。

「げ……化物かよ」

 赤丸ばかりの用紙を覗き込みながら、トワくんとセイがつぶやく。

「賭けにもなりゃしねえ」

 4人でひとつのテーブルを囲っていた。ダイチくんは例により部活で、高槻くんは弟さんの具合がよくないとかでひとりで先に帰ったあとだった。

「知紗は?」

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