キミが泣くまで、そばにいる


「へ?」

 呼びかけられ、びくっ身体が跳ねる。

「数学、何点だった?」

 となりに座ったアカツキが、ストローをつまみながら私を見ている。

 穏やかそうな表情に、内心もやもやしながら、答える。

「……赤点でした」

「え、中間はよかったのに」

「ね……」

 苦笑いしかできない。

 勉強に身が入らなかったせいもあって、期末テストはほぼ全滅だ。

 アカツキだって大変だったはずなのに、彼はいつもどおり、優秀な成績を収めたらしい。

「なあトワ、賭けだけやっててもつまんねーから、罰ゲームもしようぜ」

「は? なにすんだよ罰ゲームって。金かかんのは俺、無理」

 くだらない話で盛り上がるセイとトワくんと、それを見て笑うアカツキ。

 びっくりするくらい『日常』だ。

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